県外編18:133mの落差!那智の滝(和歌山県)

那智の滝(一の滝)は133mの落差を誇る滝です。これは一段の滝としては日本1位です。

国の名勝に指定されており(指定名は那智大滝(なちのおおたき))、鬼ヶ城と同じく世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部です。

この滝は、鬼ヶ城と同じく、熊野酸性火成岩類が関わっていますので紹介します。

https://minotigaku.com/travel/japan/onigajo/

※同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると滝の高さや立体感を感じることができます。

那智の滝は、熊野酸性火成岩類の花崗斑岩と熊野層群の堆積岩の境界に形成した滝です。

熊野酸性火成岩類の花崗斑岩は硬くて浸食されにくいのに対して、熊野層群の堆積岩は比較的もろく浸食されやすい特徴があります。そのため、堆積岩がはやく浸食され、境界部に段差ができ滝が形成されたのです。浸食されやすさの違いの大きい2つの岩石のちょうど境目にあるために、片側だけが大きく削れ、133mという落差を生み出しました。

和歌山県公式観光サイト「わかやま観光」はこちらから。

https://www.wakayama-kanko.or.jp/spots/25/

また、下の記事では、地層の水の通しやすさの違いによって生まれた滝を紹介しています。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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