美濃地方

地質の旅

枕状溶岩【美濃地方の露頭84】

熱い玄武岩質溶岩が海水などで急冷すると、表面だけが冷えて固まって殻をつくります。しかし、内部は熱いままなので、できた殻を破って絞り出されるように流れ、また海水で急冷して殻をつくります。これを繰り返して、見かけ上米俵状の形をした溶岩がいくつもできるのです。
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玄武岩質溶岩【美濃地方の露頭83】

玄武岩質溶岩は黒っぽい有色鉱物が多く含まれるため、一般的には黒っぽい岩石です。しかし、美濃帯堆積岩類の中の玄武岩質溶岩は、中に入っている鉱物が変質し主に緑色の鉱物に変わってしまうことから、緑色岩とも呼ばれます。
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ドロストーン【美濃地方の露頭82】

ドロマイトは、石灰岩を構成しているCaCO3中のカルシウム分が、海水中でマグネシウムに置き換わったものと考えられています。 根尾東谷川の岩井谷合流部付近は、研究者によって詳しく調査されています。下流側から、「玄武岩質溶岩などの玄武岩質岩石→チャート→ドロストーン→チャート」が積み重なっていて、チャートに含まれる放散虫化石によってこれらの堆積物が古生代のペルム紀にできたことがわかっています。
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層状石灰岩【美濃地方の露頭81】

根尾東谷川流域には、舟伏山の石灰岩体を中心に比較的広く石灰岩層が分布しています。 東谷川のくるみ橋付近には石灰岩層が分布し、数10cm~2mの厚さで成層しています。有機質を多く含むために全体に黒っぽい色をしていて、サンゴ礁の礁湖(ラグーン)内の静かな環境に堆積したと考えられます。 シカマイアなどの二枚貝、ベレロフォンなどの巻貝、フズリナ、ウミユリなどの化石を...
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横ずれ断層痕・蛇池【美濃地方の露頭80】

根尾谷断層(広義の意味での)は、可児市帷子付近から関市、山県市高富・伊自良、本巣市根尾を経て、福井県大野市に至る北西-南東方向に延びる全長100kmにも及ぶ大断層です。 南東から梅原断層、根尾谷断層(狭義の意味での)、温見断層などの複数の断層が雁行状に並んで断層帯を形成しています。狭義の意味での根尾谷断層は、能郷白山付近から本巣市根尾をおおよそ根尾川に沿って...
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横ずれ断層痕【美濃地方の露頭79】

水鳥地区から県道255号を北進し、開運橋を渡り、国道157号へ入り、そのまま北進します。地震断層観察館から4.5kmほど進んだところにある中地区では、根尾谷断層が左横ずれを起こした跡が畑の境界である茶の木の列により残されています。 OLYMPUS DIGITAL CAMERA 「中の左横ずれ断層」と呼ばれ、2007年(平成19年)に、国指定の特別天然記念物に...
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根尾谷断層(水鳥の断層崖)【美濃地方の露頭78】

今から130年前の1891年10月28日午前6時38分、現在の本巣市根尾を震央として濃尾地震が発生しました。 この地震は、岐阜県や愛知県などで大きな被害をもたらし、7,000人ほどの犠牲者を出しました。地震の規模はマグニチュード8.0であり、内陸の断層によって起きた地震の中では最大級のものです。 この濃尾地震を引き起こした断層群を根尾谷断層(系)と呼び、それ...
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自噴する井戸【美濃地方の露頭77】

大垣市は濃尾平野の西の端近くにありますが、特に豊かな地下水に恵まれています。 濃尾平野の西側にある養老山地は、この山地のすそ野を北北西-南南東方向に通っている養老断層を境として、西側が隆起したためにできた山地です。逆に、東側は沈降し、そこに地層が広く堆積した地形が濃尾平野です。濃尾平野の西の端は、沈降する量が大きく、東側へ行くほど沈降する量が少なく、濃尾平野...
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さざれ石公園【美濃地方の露頭76】

揖斐川町春日古屋の西の笹又地区にはさざれ石公園があり、岐阜県指定の天然記念物「笹又の石灰質角礫巨岩」が見られます。この岩石は、横5.6m、幅2.7m、高さ3.0mで、さざれ石と呼ばれ、大小さまざまの石灰岩の角礫状のものが集まり、それらが互いにくっついたように固まった岩石です。
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関ヶ原断層【美濃地方の露頭75】

関ヶ原町は、北側の伊吹山地と南側の鈴鹿山地の間を東西方向に延びる低地にあります。古来から交通の要所として、また天下分け目の戦場となったことはよく知られています。 この地域は、伊勢湾から北西に延びて日本海側の敦賀湾へ達する断層帯(柳ヶ瀬~養老断層系)によってつくられた地帯です。この断層帯の中央部に関ヶ原断層は位置します。関ヶ原断層は調査によると、第四紀前期以後...