安山岩

地質の旅

火山の堆積物・火山角礫岩【美濃地方の露頭63】

烏帽子・鷲ヶ岳火山は、郡上市と高山市の境界にまたがり、南北約33km、東西約18kmの範囲に広がる火山体ですが、多くの谷により開析されていて、本来の火山地形はほとんど残されてはいません。 ただ、その堆積物は、高鷲町の鷲見川上流の道路沿いで見られます。高鷲町鷲見田代の県道452号と県道321号との交差点から、452号の方へ(東へ)4.9kmほど進んだ右側(南側...
美濃地方

蜂屋層【美濃地方の露頭11】

東濃地方や中濃地方の丘陵地には、新第三紀層が広く分布します。特に、美濃加茂・可児地域に分布する瑞浪層群の最下部層を蜂屋層と呼びます。この蜂屋層は2400万年~2000万年前に起こった火山活動によって形成されたもので、主に火山角礫岩という火山岩類の角礫が主体の岩石からなっています。 美濃加茂市蜂屋町広橋の蜂屋層 :美濃加茂市蜂屋町広橋 写真は県道63号の宝仙坊...
美濃地方

安山岩の岩脈【美濃地方の露頭10】

坂祝町取組の木曽川右岸の層状チャートの中に、層状チャートの層理面にほぼ平行に安山岩が貫入している場所があります。 マグマなどの液体が他の岩石の割れ目に入り込んで固まることを貫入と言いますが、このとき、割れ目に沿って入り込んで冷え固まるため板状に分布することが多く、これを岩脈と呼びます。 (下の記事で紹介している露頭は、赤いチャートに黒い安山岩が貫入しているの...
美濃地方

御嶽山の堆積物【美濃地方の露頭3】

木曽川泥流堆積物は、御嶽山(最近では2014年に噴火して甚大な被害をもたらしました)を給源とする火山泥流堆積物です。 約5万年前に噴火したときには、その堆積物は御嶽山東麓の西野川から王滝川、木曽川へと流れ下り、144kmにも及びました。泥流堆積物は、主に御嶽火山を形成している安山岩類の礫(角ばったもの~やや角ばったもの)とその細粒物質からなり、その中に御嶽火...
地質の旅

県外編6:溶岩でできた海岸!城ヶ崎海岸(静岡)

城ヶ崎海岸は、静岡県伊東市の南南東に位置する海岸です。大室山の噴火によって流れ出した溶岩の一部が海に流れ込み、埋め立てて新しい陸地を作り出すことによってできました。(大室山については前回紹介しています。) そのため、大部分が荒々しい断崖で、小さな岬と入り江が連続します。 大室山から噴出した溶岩で形成された城ヶ崎海岸 :静岡県伊東市富戸城ヶ崎海岸門脇埼付近 上...
地質の旅

長良川鉄道の車窓からみた岩石 その15

長良川鉄道の車窓からみた岩石その14で紹介した砂岩は、長良川鉄道の下り列車の場合、郡上八幡駅を出て3分ほどたったところから高速道路の橋梁を過ぎたあたりまで、左側の車窓から眺めることができます。 しばらくすると(郡上八幡駅を出てから約4分30秒後に)、車窓の左側前方やや遠方に長良川沿いに岩石が露出しているのが見えてきます。「自然園前駅」に到着する20秒ほど手前...
地質の旅

長良川鉄道の車窓からみた岩石 その13

長良川沿いのチャート層その3と同じ場所を長良川鉄道の車窓から眺めることができます。 長良川鉄道下りの場合、相生駅に到着する40秒ほど前に通過する長良川の支流(亀尾島川)を横切る小さな鉄橋下に、赤色チャート層が露出しています。 このチャート層には、幅20cm前後、長さ2m弱の安山岩質と思われる岩脈がほぼ南北方向へ延びています。これらは、層状チャートが堆積し、美...
地質の旅

夫婦滝の安山岩

白鳥流紋岩の分布域(地表近くにおける)の北には、大日ヶ岳や鷲ヶ岳をつくっている安山岩が分布しています。 その安山岩を手軽に観察できるのが国道156号線の近くで見られる滝です。国道156号線に沿って長良川上流に向かい、ひるがの高原に着く約1km手前に、駒ヶ滝と夫婦滝があります。両方とも安山岩質溶岩にかかる滝です。 下の写真は夫婦滝の上部の溶岩と下部の火山砕屑岩...
川沿いの石

石を分類してみよう

河原の石ころ(岩石)を成因で分類する場合、まずはそのでき方によって大きく3つ(堆積岩、火成岩、変成岩)に分けます。堆積岩、火成岩、変成岩の順で、でき方や特徴を説明していきます。
川沿いの石

マグマからできた石たち【河原の石ころ5】

火成岩の成り立ち 河原の石を見る場合、上流の地質(どんな岩石が分布しているか)を産総研地質調査センターの地質図(全国は)やHPジオランドぎふ(岐阜県は)で確認をし、その上でその石がどのようなものからできていて、どのようにしてできたのかを把握するように観察することが大切です。 今日は、火成岩の代表である「安山岩」と「花崗岩」について、どのようにしてできた岩石で...