今から130年前の1891年10月28日午前6時38分、現在の本巣市根尾を震央として濃尾地震が発生しました。
この地震は、岐阜県や愛知県などで大きな被害をもたらし、7,000人ほどの犠牲者を出しました。地震の規模はマグニチュード8.0であり、内陸の断層によって起きた地震の中では最大級のものです。
この濃尾地震を引き起こした断層群を根尾谷断層(系)と呼びます。そして、それを代表する断層の一つが本巣市根尾の水鳥(みどり)地区にある北西-南東方向に延びる断層崖(水鳥の断層崖)です。
地下にある岩石の破壊により地震は起きますが、その破壊が断層として地表に現れ、一瞬のうちに北東側を約6m上昇させるとともに、同時に2~3mの左横ずれの崖を形成しました。
この断層崖は、1952年(昭和27年)に国の特別天然記念物に指定されていて、その一部を掘削して断層面がみえるようにしてあるのが地震断層観察館です。地震断層観察館の南側には県道の脇から階段を上がると断層展望台があり、断層崖とその周辺の様子が一望できます。
下の写真は石碑近くから断層崖を撮ったものです。
下の写真は断層展望台からパノラマで北を望んで撮ったものです。
地震断層観察館から北へ500m強のところに大将軍断層と呼ばれる東西方向に延びる断層崖があります。水鳥地区には水鳥の断層崖と大将軍断層、それに根尾川沿いに走る断層の3本の断層があり、それらに囲まれた部分が濃尾地震の際に上昇しました。
根尾谷断層は、全体としては左横ずれが主の断層ですが、水鳥地区では縦ずれの運動を主体としていて、特殊な場所にあたっています。
下の写真は上の写真の中央右を撮ったものです。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。