長瀞(ながとろ)地域は、明治11年(1878年)に東京帝国大学の初代地質学教室教授のナウマン博士が訪れて以来、多くの研究者や学生が訪れており、日本地質学発祥の地と呼ばれています。
平成5年(1993年)に日本地質学発祥の地の石碑が建立されました。
長瀞の岩畳では、地下深くの高圧化で形成された結晶片岩が露出しています。
結晶片岩は、変成作用で結晶が平面上に並んでいる(片理)ため板のようにはがれやすくなります。そのため、水平方向に面ができています。また、垂直方向の割れ目は地下深くから隆起した際にできた節理と考えられます。
その結果、畳のように四角く区切られたようになり、川の浸食などによってなめらかな表面となっています。こうして岩畳ができたのです。
上の写真は岩畳を斜め上から撮ったもので、下の写真は横から撮ったものです。
虎岩は、その名の通り虎の肌を思わせるような縞模様の岩で、茶褐色の鉱物(スチルプノメレン)と白色の石英などが細かい褶曲をなし、虎の毛皮を連想させます。
写真は虎岩を離れて撮ったものと、近づいて撮ったものです。2つ目の写真の中央にはスケールとしてペンが写っていますが、約14cmの長さです。
いずれの写真も同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
下の本は、「なぜ縞模様の地層ができるのか?」「石はどうやってできるのか?」「月の地層はどうなってる?」「地層からこんなことがわかる!」「都道府県の石 紹介」など、幅広く・わかりやすかったです。
5月8日は地質の日でもあります。この機会にぜひ読んでみてください。(リンクは下記)
前回は日本の地質百選に選ばれている秩父のようばけを紹介しています。こちらも合わせてどうぞ。