県道83号多治見白川線の可児市柿下交差点の東側200mほどのところに小さな公園があり、その公園内に、戦時中に掘られた横穴があります。
その両脇に露出している地層が瑞浪層群の平牧層です。県道84号土岐可児線と県道83号が交差する久々利交差点を南へ進むと約600mで山沿いに進む道に分かれますが、そこを山沿いに進み300mほどで公園があります。
平牧層についてはこちらでも紹介しています。
写真は公園内の露頭を南西から撮ったものです。
約1800万年前に火山活動が活発となり、その火山噴出物が浅い湖沼に堆積したことで平牧層が形成されたと考えられています。ここの公園には凝灰岩層、凝灰質砂岩層が露出しています。特に、長径が0.5~1cmほどの見かけ上楕円形をした白い軽石が多量に入っている部分があります。
次の写真は、露頭の中央部を南西・北西からそれぞれ撮ったものです。
下の写真は白色の軽石が多く入っている部分を近づいて撮ったもので、写真の縦は5.5cmです。同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
こちらの記事では軽石が入った地層を紹介しています。こっちの軽石は黄褐色です。
各務原台地【美濃地方の露頭1】
各務原台地は、各務原市を中心に木曽川右岸に分布する台地で、濃尾平野の沖積面から一段高い海抜30~55mを示しています。
その台地を構成する堆積物のうち、大部分を占めているのが各務原層です。各務原層は河川に運ばれてきた砂などが堆積してできた地層です。
また、平牧層で見られる斜交葉理もおすすめです。
斜交葉理(クロスラミナ) 【美濃地方の露頭17】
地層のうち、厚さ1cm以上のものを層理、1cm未満のものを葉理と呼びます。斜交葉理とは、この葉理が縞模様のような筋を作っている部分で、浅い水域で水の流れる方向や速さが変化することで形成されます。斜交葉理の重なりから当時の水流などの方向を推定することができます。