県外編4:溶岩が参道に!割狐塚稲荷神社(静岡)

県外編その3で紹介した鮎壺の滝は、約1万年前に富士山の噴火によって流れ出した溶岩(三島溶岩)の南西の端にできた滝ですので、滝の北東部では地面の下に溶岩が広がっているはずです。通常、地面の下は掘らないと見ることができないため、溶岩は見られないのですが、溶岩が盛り上がっているために、見ることができる場所があります。

その1つが、滝の東北東500m弱のところ(約450m)にある割狐塚稲荷神社(わりこづか)です。

割狐塚(わりこづか)稲荷神社の溶岩塚(三島溶岩) :静岡県駿東郡長泉町下土狩

流れる溶岩は1000℃ほどの高温です。
しかし、空気や地面にふれている外側の部分はすぐに冷えるため、固まって殻をつくります。一方、内部の溶岩は高温で溶けたままなので、流れているのです。そのため、あとから流れてきた溶岩が外側にできた殻を押して、ドーム状に上に膨らんだ形になります。

このようにしてできた岩の盛り上がった部分の1つが割狐塚です。膨らむと表面積が大きくなるため、表面から内部に向かって割れ目ができますが、その大きな割れ目を本殿への参道とし、鳥居がいくつもつくられているのです。

上の写真は本殿への参道の1つを東から撮ったものです。
下の写真は、本殿近くの溶岩を近づいて東から撮りました。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

下の写真は溶岩を接写したもので、穴はマグマに含まれていたガス(気体)が抜けてできた穴です。写真の縦は4.5cmです。



次回は山を紹介します。

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前回の記事はこちら。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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