県外編その3で紹介した鮎壺の滝は、約1万年前に富士山の噴火によって流れ出した溶岩(三島溶岩)の南西の端にできた滝ですので、滝の北東部では地面の下に溶岩が広がっているはずです。通常、地面の下は掘らないと見ることができないため、溶岩は見られないのですが、溶岩が盛り上がっているために、見ることができる場所があります。
その1つが、滝の東北東500m弱のところ(約450m)にある割狐塚稲荷神社(わりこづか)です。
流れる溶岩は1000℃ほどの高温です。
しかし、空気や地面にふれている外側の部分はすぐに冷えるため、固まって殻をつくります。一方、内部の溶岩は高温で溶けたままなので、流れているのです。そのため、あとから流れてきた溶岩が外側にできた殻を押して、ドーム状に上に膨らんだ形になります。
このようにしてできた岩の盛り上がった部分の1つが割狐塚です。膨らむと表面積が大きくなるため、表面から内部に向かって割れ目ができますが、その大きな割れ目を本殿への参道とし、鳥居がいくつもつくられているのです。
上の写真は本殿への参道の1つを東から撮ったものです。
下の写真は、本殿近くの溶岩を近づいて東から撮りました。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
下の写真は溶岩を接写したもので、穴はマグマに含まれていたガス(気体)が抜けてできた穴です。写真の縦は4.5cmです。
次回は山を紹介します。
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