軽石を多く含む凝灰岩【美濃地方の露頭18】

県道83号多治見白川線の可児市柿下交差点の東側200mほどのところに小さな公園があり、その公園内に、戦時中に掘られた横穴があります。

その両脇に露出している地層が瑞浪層群平牧層です。県道84号土岐可児線と県道83号が交差する久々利交差点を南へ進むと約600mで山沿いに進む道に分かれますが、そこを山沿いに進み300mほどで公園があります。

平牧層についてはこちらでも紹介しています。

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写真は公園内の露頭を南西から撮ったものです。

約1800万年前に火山活動が活発となり、その火山噴出物が浅い湖沼に堆積したことで平牧層が形成されたと考えられています。ここの公園には凝灰岩層、凝灰質砂岩層が露出しています。特に、長径が0.5~1cmほどの見かけ上楕円形をした白い軽石が多量に入っている部分があります。

次の写真は、露頭の中央部を南西・北西からそれぞれ撮ったものです。

下の写真は白色の軽石が多く入っている部分を近づいて撮ったもので、写真の縦は5.5cmです。同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

こちらの記事では軽石が入った地層を紹介しています。こっちの軽石は黄褐色です。

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また、平牧層で見られる斜交葉理もおすすめです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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