坂祝町取組の木曽川の堤防沿いにある施設(排水樋管)の南に、赤褐色の層状チャートが広がります。
チャートは岐阜県の石に選ばれている石でもあります。
また、チャートの色は白色・灰色・黒色・あずき色・うすい緑色など、様々です。この色は、チャートができた当時の海洋環境を表していると考えられています。
今回紹介する赤褐色のチャートは、チャートの中に含まれている鉄分が酸化して赤鉄鉱として含まれているので赤いのです。酸化するには酸素が必要なため、赤褐色のチャートが堆積したときは海洋中に酸素が多くあったと考えられます。
本来チャート層は深海底で非常にゆっくり堆積し、層を成していますが、それが日本列島に付加したため、現在はかなり変形して露出しています。そのため、チャート層を見ると、地層が曲がっている(褶曲している)ことが多いのです。
上の写真で小さくハンマーが見えるところ(写真中央あたり)が、特に褶曲しています。下の写真はさらに近づいて同じく南西から撮ったものです。同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見てると褶曲の立体感を味わうことができます。
層の重なったチャートはこちらもおすすめ。グラデーションが圧巻です。
チャートのグラデーション【美濃地方の露頭5】
鵜沼の木曽川右岸河床には、層状チャートが広く分布しています。チャートには赤褐色や灰色、暗灰色など様々な色がありますが、層状チャートにおけるこの色の変化は当時の海洋環境やその変化を表していると考えられています。