県外編8:花崗岩でできた渓谷!昇仙峡(山梨)

昇仙峡(特別名勝としての指定名称は御嶽昇仙峡)は、富士川の支流である荒川の上流およそ5km(長潭橋~仙娥滝)にわたる渓谷です。

昇仙峡 :山梨県甲府市高成町昇仙峡 静観橋(仙娥滝の上流の橋)の北より

昇仙峡の地質

一帯には新第三紀に形成された花崗岩が分布していますが、節理(岩石の割れ目、joint)に沿って浸食され、両岸が切り立った崖に囲まれた深い谷となっています。

昇仙峡の上流部には覚円峰がそびえています。(上の写真は静観橋(仙娥滝の上流の橋)の北から覚円峰を望遠で撮ったもの)

また覚円峰の向かいには、天狗岩というゴツゴツした岩肌の山があります。滑らかな岩肌を持つ覚円峰とは対照的な眺めです。

下の写真のうち、手前が天狗岩、奥に見えるのが覚円峰です。手前の天狗岩はゴツゴツしており、奥に見える滑らかな岩肌の覚円峰との違いがわかると思います。

下の写真は渓谷中に落ちていた岩石を撮りました。節理に沿って柱状に割れて落ちた花崗岩だと思われます。

下の写真は荒川にかかっている仙娥滝で、正面から撮ったものです。滝に近づいて南東から撮りました。いずれの写真も同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

昇仙峡について、詳しくはこちら。(昇仙峡観光協会)
https://www.shosenkyo-kankoukyokai.com

下の本では、今回紹介した花崗岩と、かんらん岩、玄武岩の三つの石の物語を通して、地球の進化と石の関わりをわかりやすく知ることができます。

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前回は白糸の滝を紹介しています。まだ読んでない方はどうぞ。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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