板取川沿いには奥美濃酸性岩類が分布しています。川原でも何ヶ所か見ることができます。
上の写真は下白谷橋から北側を眺めて撮ったもので、次の写真は上の写真の〇で囲んだ溶結凝灰岩を北より撮ったものです。
関市洞戸事務所東の国道256号を北進し、8kmほどで名もなき池で有名になった関市板取白谷に入ります。白谷手前に架かっている板取大橋の約300m先の左側に古い橋(下白谷橋)があります。そこから上流側(北)や下流側(南)を見ると、板取川沿いに岩石が露出しています。
どちら側も奥美濃酸性岩類の火砕流堆積物で、岩石名としては溶結凝灰岩です。ここの溶結凝灰岩は、研究者によって奥美濃酸性岩類洞戸岩体と名付けられていますが、調査では堆積物の厚さは200~500m以上のようです。
このような大規模な火砕流堆積物は、噴出時に爆発的であるため、マグマの中に晶出している鉱物が砕かれ、破片状になってしまうことが多いです。そのため、溶結凝灰岩を見ると、入っている石英や長石などの鉱物が砕かれて、平面上では三角形などの形になっていることがあります。
下の写真は溶結凝灰岩を接写したもので、縦は約3.5cmです。灰色のように写っているのが無色透明な石英ですが、噴出時に砕けて平面状では三角形をしたのものがあります。
下の写真は、下白谷橋の南100mほどの溶結凝灰岩を南から撮ったものです。同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の黒丸または白丸を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。