美濃帯堆積岩類の中に石灰岩があります。
石灰岩はサンゴ礁での生物の遺骸が堆積したものなので、石灰質の殻をもった生き物(フズリナ、サンゴ等)が化石として含まれることが多いです。
下の写真は石灰岩を接写したものです。白く見えるのがフズリナの化石です。(写真の縦は2cm)
この化石は、2億年以上も前に暖かい海で発達したサンゴ礁が、海底(海洋プレート)が少しずつ動くために移動し、それが陸地に付加したものです。
津保川沿いの岩石その11で紹介した和田野礫岩と呼ばれる礫岩には大小の礫が含まれ、場所によっては玄武岩・石灰岩・チャートの大規模な岩体を伴います。ここ(上之保山本)で見られる石灰岩も和田野礫岩の一部で、大規模な岩体だと思われます。
関市武儀事務所から県道63号を津保川の上流に向かって進み、関市富之保を越え、上之保の温泉施設(ほほえみの湯)の分岐点をさらに北進します。分岐点から11kmほどの右側に赤い橋を渡る道がありますので、そこを右折します。赤い橋が山本橋です。近くに車を止め、橋の手前(南西側)から川原へ下ります。橋の西側(下流側)30mほどから150mほどの間の河床に2m以下の径をもつ石灰岩が点在しています。(写真は山本橋の上から西を向いて撮ったものです。)
下は橋から西へ150m弱のところに露出している石灰岩を西から撮ったものです。これを接写したものが1番上の写真です。
下の写真は同じ石灰岩を少し離れて西から(橋に向かって)撮ったものです。川から露出した石灰岩が点在しています。