阿弥陀ヶ滝【美濃地方の露頭62】

阿弥陀ヶ滝

長良川鉄道終点の北濃駅を出て、国道156号線を約1.3km北進し、白鳥町前谷で県道314号線を西進して3.3kmほど進んだところに、阿弥陀ヶ滝の駐車場があります。そこから、道案内表示板にしたがって10分ほど山道を歩くと阿弥陀ヶ滝が見えてきます。

https://www.kankou-gifu.jp/spot/detail_3466.html

阿弥陀ヶ滝は日本の滝100選や岐阜県名水50選にも選ばれている滝です。大日ヶ岳の一部を構成する溶岩層にかかっており、落差は約60mあります。

また、滝の下部には約5mの厚さの火山砕屑岩(かざんさいせつがん)が溶岩層にはさまれています。

郡上市白鳥町前谷阿弥陀ヶ滝

火山砕屑岩

火山砕屑岩は、溶岩とは違って、火山から噴出された火山灰や火山岩塊などが堆積してできた岩石です。

そのため溶岩と比べると堅固ではなく、侵食されやすい場合が多いです。

一般に、均質の岩質からなっている場合は、水の流れによって同じような傾斜をもつ谷がつくられます。しかし、火山砕屑岩の上に溶岩が載っていると、上部の溶岩は硬くて侵食されにくいですが、下部の火山砕屑岩は侵食されやすいため、境界付近で急崖を形成することが多くなります。

落差のある阿弥陀ヶ滝もこのような理由から急崖を形成しています。溶岩は輝石安山岩で構成され、溶岩層の形成年代は約100万年前(K-Ar年代)のようです。

下の写真は、滝の左側の柱状節理を撮りました。

写真の下にある白丸を重ねるようにすると、立体的に見ることができます。柱状節理はこちらでも紹介しています。

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県外編11:柱状節理の美しさ!やくの玄武岩公園(京都府) 柱状節理は、液体であるマグマが冷却して固体になるときに体積が小さくなるために、規則正しい割れ目ができたものです。基本的には六角形の柱状になるように割れ目が入っています。六角形が科学的に安定していることは、蜂の巣のハニカム構造が有名かもしれません。

下の写真は安山岩質溶岩を接写したもので、写真の縦は3cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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