JR高山本線白川口駅の北西にあたる飛騨川沿いに、河岐トーナル岩と呼ばれる岩石が分布しています。
白川口駅前から国道41号を北西へ200mほど進むと、右側に駐車場へ下りていく道があります。そこを下りて駐車場に入り、右岸河床へ徒歩で進みます。発電所の対岸の河床には河岐トーナル岩が露出しています。
トーナル岩は花崗岩の仲間ですが、石英、斜長石、カリ長石、有色鉱物(黒雲母など)からなる通常の花崗岩とは異なり、石英をある程度含み、カリ長石はほとんど含まず、無色鉱物の多くは斜長石からなる等粒状の岩石です。有色鉱物は花崗岩に比べて多く含まれます。
写真はトーナル岩に近づいて撮ったもので、シャープペンの長さは約14cmです。
河岐トーナル岩はやや褐色を帯びていて、構成する鉱物の境界がやや不明瞭となっています。飛騨川河床に約0.8km×1.5kmの範囲で分布しています。形成年代は研究により約8,700万年前ということがわかっていて、美濃帯堆積岩類を貫き、濃飛流紋岩に覆われています。
下の写真はトーナル岩と層状チャートの境界付近を南から撮ったもので、トーナル岩がチャートを貫いています。ハンマーの右側は層状チャートで、左側の淡褐色の岩石がトーナル岩です。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。