トーナル岩【美濃地方の露頭49】

JR高山本線白川口駅の北西にあたる飛騨川沿いに、河岐トーナル岩と呼ばれる岩石が分布しています。

加茂郡白川町河岐(かわまた)飛騨川右岸河床(JR白川口駅の北西)

白川口駅前から国道41号を北西へ200mほど進むと、右側に駐車場へ下りていく道があります。そこを下りて駐車場に入り、右岸河床へ徒歩で進みます。発電所の対岸の河床には河岐トーナル岩が露出しています。

トーナル岩花崗岩の仲間ですが、石英、斜長石、カリ長石、有色鉱物(黒雲母など)からなる通常の花崗岩とは異なり、石英をある程度含み、カリ長石はほとんど含まず、無色鉱物の多くは斜長石からなる等粒状の岩石です。有色鉱物は花崗岩に比べて多く含まれます。

写真はトーナル岩に近づいて撮ったもので、シャープペンの長さは約14cmです。

河岐トーナル岩はやや褐色を帯びていて、構成する鉱物の境界がやや不明瞭となっています。飛騨川河床に約0.8km×1.5kmの範囲で分布しています。形成年代は研究により約8,700万年前ということがわかっていて、美濃帯堆積岩類を貫き、濃飛流紋岩に覆われています。

下の写真はトーナル岩層状チャートの境界付近を南から撮ったもので、トーナル岩がチャートを貫いています。ハンマーの右側は層状チャートで、左側の淡褐色の岩石がトーナル岩です。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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