七宗町平の飛騨川左岸に珪質粘土岩(美濃帯堆積岩類の中の一つ)と呼ばれる岩石が露出しています。
七宗町上麻生の「川並交差点」から国道41号を白川町方面に向かって約2.8km進むと、七宗町平と表示のある歩道橋があります。歩道橋の手前北側(左側)にお茶加工施設があり、その西側の畑の中の細い道を通って、飛騨川の左岸に下りることができます。
左岸には、砂岩泥岩互層(破断を受けている)が分布していますが、川に近づくと、灰色~淡黄灰色の中に何本かの黒い縞が波を打った状態で入っている岩石が露出しています。黒い縞は黒色泥岩ですが、そのほかの灰色~淡黄灰色(淡青灰色の部分もあり)の部分が珪質粘土岩です。
珪質粘土岩は礫、砂、泥などの砕屑物をほとんど含まず、粘土鉱物だけからなる岩石で、中に黒色の珪質泥岩をはさむことを特徴としています。
珪質粘土岩は、中生代三畳紀の層状チャートの基底部に存在することがわかっていて、三畳紀初期における酸素が少ない状態の海洋で堆積したものだと考えられています。実際に化石がほとんど含まれません。
写真は、上の写真のハンマーの右上にある甌穴を西から撮ったもので、スケールの長さは約20cmです。
下の写真は、珪質粘土岩と砂岩泥岩互層の境界部分を南からパノラマで撮ったものです。境界部分は断層です。
下の写真は、境界の断層を東から撮ったものです。中上と真中、下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。