木曽川泥流堆積物は、御嶽山(最近では2014年に噴火して甚大な被害をもたらしました)を給源とする火山泥流堆積物です。
約5万年前に噴火したときには、その堆積物は御嶽山東麓の西野川から王滝川、木曽川へと流れ下り、144kmにも及びました。泥流堆積物は、主に御嶽火山を形成している安山岩類の礫(角ばったもの~やや角ばったもの)とその細粒物質からなり、その中に御嶽火山周辺や木曽川流域に分布する岩石の破片が含まれています。
またこの噴火によって堆積物が堆積した年代は、加茂郡八百津町に分布する木曽川泥流堆積物に含まれていた樹木の年代測定から約5万年前と推定されています。
上の写真は鵜沼西町の木曽川泥流堆積物の露頭を撮ったものです。
各務原市の伊木山付近から鵜沼山崎町にかけて各務原台地の東端を弓なりにえぐるように段差は、古い木曽川によって削られたことでできた地形のようです。この段差の崖に沿って木曽川泥流堆積物が分布しています。鵜沼西町の露頭では、比較的硬い泥流堆積物が見られ、内部に角ばった安山岩類の礫が多く見られます。そのほかに濃飛流紋岩や花崗岩、美濃帯堆積岩類のチャート、砂岩などが含まれます。
下の写真は露頭を正面から(南から)撮ったものです。同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
下の写真は近づいて撮ったもので、中央左に写っているのは安山岩の礫です。その右少し上に写っているシャープペンの長さは約14cmです(少し見えにくいですが、青緑の小さな点が見えるところです)。サイズ感の目印になります。
前回の記事はこちら。