各務原市の南東部にある伊木山では、「伊木山の不整合」と呼ばれる露頭(地層などが見えるように露出しているところ)を見ることができます。表示板の東側です。
不整合
この露頭では、おもにチャートからなる基盤の美濃帯堆積岩類を覆って、凸凹面で境された礫層がのっています。
写真は表示板の横の露頭を南東から撮ったものです。
中生代に堆積した美濃帯堆積岩類の上に、第四紀の地層が重なっています。このようなかなりの堆積年代のギャップをもつ地層の重なり方を不整合といいます。
この礫層の礫はスコップなどでも削れるほど風化して軟らかくなっています。このように礫が風化してまるで腐ったような状態に見えるものをくさり礫と呼ぶことがあります。
このくさり礫は分布範囲が狭く、どのような場所で堆積したものかはっきりとはわかりません。段丘礫層とするならば、高い位置にある段丘の堆積物となりますので、「高位段丘礫層」と呼びます。
上の写真は少し近づいて撮ったものです。右端に写っているスケールは1mです。同じような写真が横に二枚並んでいますが、写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
前回は御嶽山から噴出してできた石を紹介しています。まだ読んでないかたはどうぞ。