各務原層には5~10mmほどの径をもつ丸い黄褐色の粒が見られます。これは火山から噴出した軽石です。
軽石というと、灰色で多くの穴があいた軽くて少し硬い石というイメージがありますが、各務原層に入っている黄褐色の軽石は、さわると簡単につぶれます。軽石の中の成分が粘土に変わりもろくなったためです。
中には黄褐色ではなく、灰色のやや硬い軽石も入っていますが、性質がやや異なり、形成された時期も異なるようです。これらの軽石は御嶽火山の噴出物です。異なる時期(おおよそ6~10万年前)に御嶽火山から噴出した軽石が古木曽川の上流部にいったん堆積し、それらが古木曽川によって砂などといっしょに運ばれることで混ざって堆積したものが各務原層です。
各務原層は掘らなくても各務原台地の縁で見られるのですが、その他では植物に覆われたり、人工的にコンクリートなどで覆われたりして実際にはなかなか見ることができません。しかし、以下のポイントで見ることができます。このように地層など地面下の状況が見えるようになっているところを露頭と呼びます。
下の写真は蘇原申子町の申子公民館の南を北東から撮ったものです。各務原層の北の縁にあたります。
次の写真は近づいて撮ったものです。黄褐色の丸い粒が軽石です。
各務原層の南の縁は鵜沼大伊木町大牧団地の南で、東の縁は那加新加納の少林寺の南西の崖などで見ることができます。ただ、以前と比べると植物が茂って見にくくなっています。
次の写真は10年ほど前に那加新加納の露頭を南西から撮ったものです。植物が茂っていて現在は各務原層がほとんど見えません。(1番下の写真。スケールは1mです。)
同じような写真が2枚並んでいるものは、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
こちらの記事でも軽石が入った石を紹介しています。