百年公園内の砂岩泥岩互層【美濃地方の露頭55】

これまで、岐阜県関市・美濃市・郡上市の川沿いの露頭について、長良川、板取川、津保川沿いの岩石を紹介してきました。

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今回から、それら以外で紹介できる露頭について、関市・郡上市周辺として何回かに分けて紹介します。

岐阜県関市には、岐阜県が設置されて100年を記念して作られた岐阜県百年公園があります。敷地面積100haをもつ百年公園では、四季折々の花・木が楽しめる他、アスレチック遊具や、恐竜の全身骨格標本がある岐阜県博物館も併設されています。

https://hyakunen-kouen.jp

そんな百年公園内では、遊歩道沿いで美濃帯堆積岩類の砂岩泥岩互層の露頭が見られます。

関市小屋名百年公園内遊歩道沿い北露頭

上の写真は砂岩泥岩互層をパノラマで南から撮ったものです。

砂岩泥岩互層は、砂や泥の混じったものが海底の斜面で移動し流れ込む時、粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積し、それが何回も繰り返し、固結することによってできたものです。

百年公園内の砂岩泥岩互層は、垂直に近く傾いていますが、堆積時は水平に近いはずで、その後の変動で傾いています。

砂と泥が混ざったものが流れ込んだ時、水の中では、粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。そのため、下から連続的に砂→泥が堆積し、シャープな面で急に砂が堆積し、また連続的に砂→泥が堆積するといったことで、上下を判別することができます。

それからすると、この露頭では左側が堆積当時の下位で、右側が上位であることがわかります。

いずれの写真も黄色のスケールは約20cmです。

同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。下の写真で、出っ張っている層が砂岩層で、出っ張っていない層が泥岩層です。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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