瑞浪層群とビカリアの森【美濃地方の露頭28】

瑞浪市から土岐市にかけて分布する瑞浪層群は、下位から土岐夾炭層、本郷層、明世層生俵層で構成されます。

瑞浪市民公園には明世層が、その奥にあるビカリアの森には生俵層が分布していますので、順番に紹介します。(写真は市民公園の陸上競技場の西側にある狭間部層を南側から撮ったもの。表示板の右に写っているスケールは1m)

目次

瑞浪市民公園

瑞浪市民公園には、明世層である戸狩部層・山野内部層・狭間部層が、分布しています。

特に、市民公園の奥にある陸上競技場の西には、明世層の上部層である狭間部層が分布しています。狭間部層は、軽石質凝灰岩や細粒凝灰岩~凝灰質泥岩などからなっています。

写真は狭間部層内で見られる断層を撮りました。黄色のスケールは20cmです。

ビカリアの森

次に、市民公園の奥にあるビカリアの森で見られる山野内部層狭間部層の境界部の露頭を紹介します。

その前に「ビカリアの森」という名前を紹介します。ビカリアとは、10cm程度の貝です。新生代第三紀の始新世から中新世にかけて繁殖し、現在では絶滅しています。生息期間が比較的短かったため、このビカリアの化石は、地層の堆積した時代の手がかりとなる重要な化石で、示準化石と呼ばれます。

また、ビカリア自体は日本各地で産出しますが、特に内部が珪化したビカリアの化石は「月のおさがり」と呼ばれており、瑞浪市はこの産地として有名です。

https://www.city.mizunami.lg.jp/kankou_bunka/1004960/kaseki_museum/1003877/1003875/1002250.html

さて、地層に話を戻します。ビカリアの森を進んでいくと道沿いに生俵層が露出しています。

写真はビカリアの森の入口の東露頭で、植物が茂っていて見にくいですが、山野内部層とその上の狭間部層の接触部を撮ったものです。望遠で撮ったため、スケールはありません。

下の写真はビカリアの森を進んで、道路沿いの東露頭を撮ったものです。灰白色~灰色の凝灰質の砂質シルト岩層の上に黄灰色~灰色の凝灰質のシルト岩層がのっているのがわかります。

シルト岩は砂岩や泥岩の仲間です。粒径0.004~0.06ミリメートルの砕屑粒子をシルトと呼びます。シルト岩よりも粗い粒の砕屑岩を砂岩、シルト岩よりも細かい粒の砕屑岩が泥岩です。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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