美濃帯堆積岩類のように、海洋で堆積した堆積岩類などが日本列島に付加した付加体堆積物には、メランジュと呼ばれる地質体が見られます。
メランジュは、海洋のプレートの上に堆積したものが、陸側のプレートの下にもぐりこむ際に、はぎ取られ・混ざり合いながら陸側のプレートにくっついてできる特徴的な地質体です。黒色をした泥岩の中に砂岩やチャートなどの岩塊が入った混在岩と呼ばれる岩石が見られます。
可児市大脇の木曽川左岸河床では、砂岩や破断した砂岩泥岩互層(本来層状である砂岩はレンズ状やちぎれた形状となっている砂岩泥岩互層)、チャート、珪質粘土岩(美濃帯堆積岩類中に見られる礫、砂、泥などの砕屑物をほとんど含まず、粘土鉱物だけからなる岩石)を岩塊として含んでいる混在岩が見られます。
メランジュについてはこちらの記事で載せている写真がわかりやすいです。
写真は可児市大脇の川原を北からパノラマで撮ったもので、左側上部に少し写っているのが近くにある温泉施設です。この露頭では、チャートと混在岩の接触部が見ることができます。
写真は砂岩がレンズ状に入った混在岩を西から撮ったもので、その下の写真は近づいて撮ったものです。
最後の写真は甌穴を南東から撮ったもので、2.7m×2.0mほどの甌穴です。同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
甌穴については、こちらの記事で紹介しています。