今回から長良川の支流である津保川沿いの岩石について、下流から順に紹介しようと思います。
県道58号関金山線を富加関IC入口辺りから北進し、関市立富野小学校を越えると左側に富野駐在所があります。その先100m強のところに右側に橋があります。西神野郵便局の手前100mほどです。
橋の北東側から川へ下りると、黒っぽい岩石(泥岩)が露出していますが、その岩石に穴(甌穴と呼びます)がいくつも開いているのがわかります。
甌穴は、チャート層のような硬い岩石にできます。
運ばれてきた石が岩盤の表面にある割れ目などにひっかかり、強い流れの中でその石が回転してドリルのように岩盤に穴をあけるのです。
岩盤が硬くない場合は、穴ができても周りがくずれてしまうため、しっかりとした穴が残りません。そのため甌穴は、河床の岩盤が硬く、激しい流れが生じる場所で見られます。また、条件が揃えば、どの河川でも見られるものです。
次の写真は甌穴の一つを西上より撮影したもので、甌穴は、長径58cm、短径30cm、深さ25cmほどです。同じような写真が2枚並んでいますが、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、下の●を重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
ここの岩石は泥岩ですが、比較的硬い岩石なため、甌穴ができているのだと思われます。
泥岩が硬い理由としては、貫入岩などによる熱変成が考えられます。
貫入岩については津保川沿いの岩石その2で紹介します。
下の写真は泥岩を接写したもので、写真の縦は4cmです。