ここまで岐阜県の岩石を紹介してきました。
今回は県外編として、ここ数年の間に行った地質関係の岐阜県外の見学地を紹介します。また、立体視ができるような写真を載せていこうと思います。
岐阜県では、1891年に発生した濃尾地震を引き起こした根尾谷断層が、根尾谷地震断層観察館にて観察できるように整備され、全国的にも有名です。同じように、昭和のはじめ頃に発生した地震を引き起こした断層が展示されているところが、静岡県にあります。
丹那(たんな)断層公園は、昭和5年(1930年)11月26日に発生した北伊豆地震(M7.3)を引き起こした丹那断層を観察できるよう整備した場所です。この公園では、北伊豆地震において左横ずれ断層によって水路や円形のゴミ捨て場などが約2.5mほどずれているのを見ることができます。
そのずれの北の延長上の地面が溝状に掘られており(トレンチ)、断層地下観察室として実際の断層による地層のずれがわかるようになっています。1997年3月末に完成しました。
いずれの写真も同じような写真が並んでいますが、それぞれの写真の下の白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。立体感をお楽しみください。
①丹那断層公園を南から丹那断層が延びている方向を撮った写真です。手前にある平行に並んだ二枚の赤い板が断層の位置と方向を示しています。奥に見えるのが断層地下観察室です。
②西から撮った写真です。石が並んでできている溝(当時は水路)が、断層を境にずれているのがわかります。赤い板が断層の位置を示しています。
③断層地下観察室を西から撮ったものです。断層を境に、褐色の堆積層と白っぽい堆積層が接している様子が見えます。
④断層地下観察室の南側の壁を北東から撮ったものです。
こちらでは、同じく地震の痕跡が残る神社を紹介していますので、まだの方は合わせてどうぞ。