伊勢湾や濃尾平野の周囲には、新第三紀中新世後期から第四紀更新世前期にかけて、湖や河川の流域に堆積した礫・砂・泥などが積み重なる地層が分布します。
この地層は東海層群と名付けられています。
東海層群
東海層群は当時形成された東海湖と呼ばれる湖などに堆積したものです。
この湖は知多半島南部付近で発生し、次第に北西に拡大していきました。最大期には、現在の琵琶湖の6倍ほどもあるとても大きな湖だったようです。
そして、長い年月にわたり、多くの流れ込んでいる河川によって、大量の土砂と生物の遺骸が運び込まれて堆積しました。
やがて湖は、第四紀更新世前期に大垣市の西方である南宮山の周囲や上石津町などで消滅したと考えられています。
この須城谷に露出している地層は、東海層群の上部層で、おもに青灰色の砂泥互層からなり、礫層や砂層をはさみます。火山灰層もいくつかはさまれ、それぞれの場所の地層の対比に役立つ鍵層となっています。
いずれの写真も白く横方向に延びているのが火山灰層です。
同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部にある白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
下の写真は、その火山灰層の一部を近づいて撮ったものです。