これまで、岐阜県関市・美濃市・郡上市の川沿いの露頭について、長良川、板取川、津保川沿いの岩石を紹介してきました。
今回から、それら以外で紹介できる露頭について、関市・郡上市周辺として何回かに分けて紹介します。
岐阜県関市には、岐阜県が設置されて100年を記念して作られた岐阜県百年公園があります。敷地面積100haをもつ百年公園では、四季折々の花・木が楽しめる他、アスレチック遊具や、恐竜の全身骨格標本がある岐阜県博物館も併設されています。
そんな百年公園内では、遊歩道沿いで美濃帯堆積岩類の砂岩泥岩互層の露頭が見られます。
上の写真は砂岩泥岩互層をパノラマで南から撮ったものです。
砂岩泥岩互層は、砂や泥の混じったものが海底の斜面で移動し流れ込む時、粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積し、それが何回も繰り返し、固結することによってできたものです。
百年公園内の砂岩泥岩互層は、垂直に近く傾いていますが、堆積時は水平に近いはずで、その後の変動で傾いています。
砂と泥が混ざったものが流れ込んだ時、水の中では、粒子が粗い砂は下に、その上に粒子の細かい泥が堆積します。そのため、下から連続的に砂→泥が堆積し、シャープな面で急に砂が堆積し、また連続的に砂→泥が堆積するといったことで、上下を判別することができます。
それからすると、この露頭では左側が堆積当時の下位で、右側が上位であることがわかります。
いずれの写真も黄色のスケールは約20cmです。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の黒丸または白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。下の写真で、出っ張っている層が砂岩層で、出っ張っていない層が泥岩層です。