岩山花崗閃緑斑岩 【美濃地方の露頭41】

県道408号中野方苗木線は、恵那市中野方から中津川市苗木に至る県道ですが、中津川市高山(旧恵那郡福岡町)で、付知川を渡ります。その橋が高山大橋ですが、その北側に知原橋という赤い橋があり、その橋下周辺に花崗閃緑斑岩が露出しています。

中津川市高山知原橋下付近付知川左岸河床露頭(高山大橋の北)

この花崗閃緑斑岩は、旧福岡町の西端にある岩山(標高932m)を中心に長径約9km、短径約2kmという細長い分布を示し、濃飛流紋岩を貫いています。

花崗閃緑斑岩というのは、花崗斑岩の仲間で、一般にはガラス質または細粒の結晶からなる石基の中に、大きな結晶(斑晶という)が入っている岩石です。

花崗斑岩であれば石英や長石(斜長石やカリ長石)、黒雲母などの結晶が含まれますが、黒雲母や角閃石などの有色鉱物や斜長石に富み、石英の少ないものに対して花崗閃緑斑岩という名称が使われます。

下の写真は、花崗閃緑斑岩を接写したものです。長方形をした斜長石の大きな結晶が入っているのがわかります。写真の縦は4cmです。

この花崗閃緑斑岩は、濃飛流紋岩をもたらした火砕流が流出した出口付近を埋めるようにあとからマグマが入り込み、それが固結したものと考えられています。

そのマグマは、先に噴出した大規模な火砕流のもとになったマグマの残りもの、または最後に噴出しようとしたマグマが噴出しきれずに地中で固結したものに相当するようです。

下の写真は河床露頭を北東から撮ったもので、上部に写っているのが知原橋の一部です。中上と下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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