伊木山の不整合【美濃地方の露頭4】

各務原市の南東部にある伊木山では、「伊木山の不整合」と呼ばれる露頭(地層などが見えるように露出しているところ)を見ることができます。表示板の東側です。

不整合

この露頭では、おもにチャートからなる基盤の美濃帯堆積岩類を覆って、凸凹面で境された礫層がのっています。

写真は表示板の横の露頭を南東から撮ったものです。

中生代に堆積した美濃帯堆積岩類の上に、第四紀の地層が重なっています。このようなかなりの堆積年代のギャップをもつ地層の重なり方を不整合といいます。

この礫層の礫はスコップなどでも削れるほど風化して軟らかくなっています。このように礫が風化してまるで腐ったような状態に見えるものをくさり礫と呼ぶことがあります。

このくさり礫は分布範囲が狭く、どのような場所で堆積したものかはっきりとはわかりません。段丘礫層とするならば、高い位置にある段丘の堆積物となりますので、「高位段丘礫層」と呼びます。

上の写真は少し近づいて撮ったものです。右端に写っているスケールは1mです。同じような写真が横に二枚並んでいますが、写真の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。 

前回は御嶽山から噴出してできた石を紹介しています。まだ読んでないかたはどうぞ。

あわせて読みたい
御嶽山の堆積物【美濃地方の露頭3】 木曽川泥流堆積物は、御嶽山(最近では2014年に噴火して甚大な被害をもたらしました)を給源とする火山泥流堆積物です。 約5万年前に噴火したときには、その堆積物は御...
よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

目次