兵庫県豊岡市の玄武洞には5つの洞があり、公園として整備されています。
マグマが冷え固まった岩石である火成岩の中に玄武岩という岩がありますが、この名称は明治時代において岩石の日本名を制定するときに、玄武洞の名にちなんで命名されました。
玄武洞公園一帯では、約160万年前に噴出した玄武岩質マグマが冷えて固まり、玄武岩質溶岩の厚い層が形成されました。液体であるマグマが冷却して固体になると体積が小さくなる(縮む)ために、冷え固まった溶岩内に規則正しく隙間ができ、それが割れ目となります。
その割れ目によって、溶岩は基本的には六角形(五~八角形のものもあり)の柱状となりました。それを柱状節理と呼びます。玄武洞公園の溶岩は柱状節理による自然の造形美が見事です。洞窟になっているのは、人が石材として使うために採掘し、その採掘跡が洞窟として残っているためです。
また、玄武洞公園の玄武岩が有名なのは、柱状節理による自然の造形美だけではありません。有名にしたもう一つの出来事は、ここの玄武岩を使って、地球の磁場が過去に反転していたことが発見されたことです。
昭和のはじめ頃に、京都帝国大学(当時)の教授によってここの玄武岩のもつ磁気(残留磁気)が現在の地磁気と反対の向きを指していることが発見されました。玄武岩が冷え固まる時の地磁気の向きが現在とは反対であり、過去の地球の磁場に反転した時期があったことが発表されたのです。
中下の写真は正面の洞窟の左側を、下の写真は右側を西から撮ったものです。いずれの写真も同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
後編はこちら。
玄武洞へのアクセスなどはこちらから。(きのさき温泉観光協会公式サイト)
https://kinosaki-spa.gr.jp/facility/genbudou/