板取川沿いの美濃帯堆積岩類は、近くに分布する奥美濃酸性岩類により、高熱を受けて鉱物が変わっている(接触変成作用、熱変成作用)ことがあります。
そのため、長良川沿いとは異なる岩石が分布する場所があります。
今回紹介する露頭も、奥美濃酸性岩による接触変成作用(熱変成作用)のため、チャートは高熱により再結晶し、より硬いホルンフェルスになっています。
関市洞戸事務所東の国道256号を北進し、洞戸尾倉の集落を越してしばらくすると、尾倉と阿部の境界の表示板があります。その表示板より100mほど南(手前)にある川原へ下りる細い道の先に、今回の露頭があります。
一帯にはチャートが露出していますが、中には、より白っぽくなっている岩盤があります。
よく見ると白い鉱物が繊維状になっているのがわかります。(下の写真)
この繊維状の鉱物は珪灰石です。珪灰石は石灰岩(CaCO3)に珪酸(SiO2)が加わってできた変成鉱物(スカルン鉱物)です。ふつうは繊維状の塊で、色は白色です。
下の写真は珪灰石を接写したもので、写真の縦は約8cmです。
長良川沿いのチャートはこちらの記事をどうぞ。
前回は板取川にある破断した岩を紹介しています。
破断した岩【板取川沿いの岩石10】
洞戸栗原から洞戸高見にかけて、板取川沿いに分布する美濃帯堆積岩類は、主にチャート層と、破断した砂岩泥岩互層です。 特に洞戸尾倉の板取川沿いには、破断した砂岩泥...