郡上市白鳥町の市街地から東南東約6kmのところに阿多岐地区があり、その山手で湖に堆積したと考えられる阿多岐層が露出しています。
阿多岐層は、白鳥町阿多岐から高鷲町にかけての地域、白鳥町北部地域、八幡町北部地域などに分布し、東西約9km、南北約15kmの範囲に存在したと考えられる湖に堆積した地層です。
烏帽子岳火山岩類や大日ヶ岳火山岩類によって覆われていて、新第三紀の鮮新世から第四紀の更新世にかけての500万年~200万年前にかけて形成されたと考えられています。おもに、凝灰岩、凝灰質砂岩、凝灰質泥岩からなり、場所によって珪藻土をともなっています。
道の駅白尾ふれあいパークから県道82号を東へ、そして県道316号を阿多岐ダム方向へ進みます。トンネル2つ(中西トンネル、阿多岐トンネル)を越え、道の駅から約3.9kmのところに三叉路があります。そこを南東(右)へ進み、板倉川を渡ってそのまま350mほど進みます。突き当りを右(横手峠へ向かう方向)へ曲がり、100m強進んだ左手に建設会社があります。その裏手に阿多岐層が露出しています。
写真に写っている白っぽい地層が珪藻土です。珪藻土は珪藻化石が主に積もった堆積物で、珪藻は珪酸(SiO2)成分の殻をもつ0.001~0.2mmほどの単細胞藻類です。珪酸の殻をもつために化石になりやすいのです。
写真の右に写っているスケールの長さは1mです。