珪藻土を含む地層【美濃地方の露頭60】

郡上市白鳥町の市街地から東南東約6kmのところに阿多岐地区があり、その山手で湖に堆積したと考えられる阿多岐層が露出しています。

白鳥町阿多岐の阿多岐層 :郡上市白鳥町阿多岐

阿多岐層は、白鳥町阿多岐から高鷲町にかけての地域、白鳥町北部地域、八幡町北部地域などに分布し、東西約9km、南北約15kmの範囲に存在したと考えられる湖に堆積した地層です。

烏帽子岳火山岩類や大日ヶ岳火山岩類によって覆われていて、新第三紀の鮮新世から第四紀の更新世にかけての500万年~200万年前にかけて形成されたと考えられています。おもに、凝灰岩、凝灰質砂岩、凝灰質泥岩からなり、場所によって珪藻土をともなっています。

道の駅白尾ふれあいパークから県道82号を東へ、そして県道316号を阿多岐ダム方向へ進みます。トンネル2つ(中西トンネル、阿多岐トンネル)を越え、道の駅から約3.9kmのところに三叉路があります。そこを南東(右)へ進み、板倉川を渡ってそのまま350mほど進みます。突き当りを右(横手峠へ向かう方向)へ曲がり、100m強進んだ左手に建設会社があります。その裏手に阿多岐層が露出しています。

写真に写っている白っぽい地層が珪藻土です。珪藻土は珪藻化石が主に積もった堆積物で、珪藻は珪酸(SiO2)成分の殻をもつ0.001~0.2mmほどの単細胞藻類です。珪酸の殻をもつために化石になりやすいのです。

写真の右に写っているスケールの長さは1mです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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