泥岩と貫入岩【美濃地方の露頭67】

揖斐川町春日(旧春日村)の中央部を流れる粕川は、美濃帯堆積岩類を浸食して、深い谷をつくっています。

県道32号を通り春日振興事務所を西へ1km弱進むと、天神ふれあいパークという表示板があり、川の方へ下る道があります。そこを下りていくと、車を駐車できるスペースがあり、徒歩で粕川の左岸に下りることができます。

ここには、美濃帯堆積岩類の泥岩や砂岩泥岩互層が分布し、見かけ上80~90cm幅の貫入岩や幅1cm以下~数cmの石英の脈も見られます。泥岩は割ってみると、細かい結晶(黒雲母など)が多く見られ、ここから1.5kmほど北西に分布する貝月山花崗岩によって熱変成を受けていることがわかります。

貫入岩は灰色で、5mm~1cm径の斜長石が点在し、石英は少ないですが数mm~5mm径のものが入っています。石英の脈は、貝月山花崗岩が貫入した時に、割れ目に沿って熱水溶液がしみこんでできたものだと考えられます。

下の写真は、泥岩と貫入岩を接写したもので、左側が泥岩で、右側が貫入岩です。写真の縦は4cmです。

最後の写真は、西から石英の脈を撮ったもので、白い筋が石英の脈です。下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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