揖斐川町春日古屋の西の笹又地区にはさざれ石公園があり、岐阜県指定の天然記念物「笹又の石灰質角礫巨岩」が見られます。
この岩石は、横5.6m、幅2.7m、高さ3.0mで、さざれ石と呼ばれ、大小さまざまの石灰岩の角礫状のものが集まり、それらが互いにくっついたように固まった岩石です。
さざれ石と言えば、国歌が有名ですね。実は国歌に出てくるさざれ石は、ここ、さざれ石公園のものと言われています。
https://www.town.ibigawa.lg.jp/kankoujyouhou/0000006085.html
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の巌となりて
苔の生すまで
元になっている和歌は日本最初の勅撰和歌集である古今和歌集(905年)に収録されています。
わが君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで
読み人知らず(藤原朝臣石位左衛門)
石灰質角礫岩と呼ばれるこの岩石は、天然記念物に指定されている岩石だけではなく、付近にさまざまな大きさで分布しています。この地域は、美濃帯堆積岩類の一つである石灰岩が山体の上半部を占めて分布する伊吹山の東斜面にあたります。斜面を崩れ落ちてきた石灰岩の岩屑は積み重なり堆積しました。
下の写真の黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
石灰岩は雨水によって溶かされるとともに、溶かされた石灰分が再び沈着し、セメントの役割をしました。その結果、角礫同士を固めて天然のコンクリートとなり、ほとんど石灰岩の角礫からなる角礫岩が形成されました。
下の写真は西へ10mほど進んだところにある石灰質角礫岩(上の写真の左側に写っている木の下にある岩石)に近づいて撮ったものです。
下の写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
下の写真は、さざれ石公園の駐車場から延びている歩道沿いにある石灰質角礫岩を南東から撮ったものです。写真に写っている黄色のスケールは約20cmです。