貝月山花崗岩の風化【美濃地方の露頭69】

貝月山花崗岩は、岐阜・滋賀県境付近にある貝月山(標高1,234m)周辺に南北約14km、東西約11.5kmの規模で分布する花崗岩体です。

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花崗岩は本来堅固な岩石ですが、風化してばらばらになり砂粒や小さな礫などになりやすい岩石です。

花崗岩は、同じような大きさの鉱物が互いに密着してできています。気温変化などによってそれぞれの鉱物がわずかに膨張・収縮を繰り返しますが、鉱物によってその度合いが異なり、また同じ鉱物でも方向によって異なるため、鉱物単位でひずみが生じます。

そうすると結合がはがればらばらになり、砂粒を生成することになります。このばらばらになった粒をマサ(真砂)と呼びます。

また、花崗岩を構成している主要鉱物の一つである長石は粘土鉱物になりやすいため、鉱物自体がくずれてしまうこともあります。

国見岳スキー場駐車場では、かなり広範囲に風化した花崗岩が露出しています。ほとんどの花崗岩が風化のためマサ化していて、硬く見える部分でもハンマーでたたくと鈍い音がしてくずれてしまいます。

左側に写っているスケールは1mです。

下の写真は上の写真の中央部を東から撮ったもので、スケールは同じく1mです。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下部の●を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。


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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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