石灰岩は、酸性の水溶液によって溶けるという特徴をもちます。
弱い酸性である雨水でも溶けるため、他の岩石には見られない様子を示します。そのため、石灰岩が作り出す地形は独特なものとなり、カルスト地形と呼ばれます。
また、雨水や地下水などによって溶かされて、残った一部の石灰岩は、地面から柱状に突き出た状態となります。このような柱状に突出した石灰岩を「ピナクル(石灰岩柱)」といいます。
そして、その柱状の石灰岩の表面も雨水によって溶かされ、縦方向に伸びる小さな溝が多くみられることが多いです。これを「カッレン」と呼びます。石灰岩が柱状に突出し、カッレンがたくさん生じた凸凹の地形は「カッレンフェルト」と呼ばれています。
これらの独特な地形は、石灰岩が分布するところには存在することが多いです。
大垣市赤坂町の金生山の頂上近くにある明輪寺の北側には、高さ数10cmから5m以上の大小の石灰岩が点在した岩巣公園があります。
https://www.city.ogaki.lg.jp/0000009425.html
上の写真は頂上手前の展望所に露出しているピナクルを北からパノラマで撮ったものです。
その岩巣公園を登っていくと、頂上の手前に展望所があり、そこから南~南東を見渡すと濃尾平野が一望できます。上の写真のようにその場所に石灰岩が突出しており(ピナクル)、石灰岩が溶けて大小の溝や穴ができている(カッレン)のがわかります。
近づいて見ると、5cmほどの幅を持つ溝の下に10~15cm幅の溝があり、まるで険しい山脈のミニチュアを見ているようなところもあります(中下の写真)。
その場所の北西には、石灰岩の表面に5cm前後の幅の溝が何本も上下方向に走っているのが見られるところもあります。(下の写真)。
いずれの写真にも写っている黄色のスケールは約20cmです。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の下部の白丸または黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。