岐阜県には、全国でも屈指の活断層が3つあります。
その1つが全長約70kmの阿寺断層で、中津川市馬籠付近から下呂市萩原町の北方まで、南東-北西方向に延びます。阿寺断層は、中津川市坂下や付知町など何ヶ所かで崖として直接確認することができます。
写真は弥栄ループ橋から坂下の町を撮ったものです。黄色の矢印が阿寺断層の位置を示しています。
坂下の平地部は、4段ほどの段丘面からなり、そこを断層が横切っています。そのため、坂下には段差が何段もあり、崖や坂が多い町です。1960年代に河岸段丘と断層との関係が詳細に調査され、日本ではじめて活断層の様子が明らかにされた地域です。
坂下と山口の間を流れる木曽川にかかっている弥栄橋の東の弥栄ループ橋から北西を眺めると、弥栄端の東辺りから山の鞍部(低くなった部分)に向かって断層が直線的に延びているのがわかります。直線的に延びる断層の途中に坂下病院が見えますが、その北東側を阿寺断層が通っており、その地点に「阿寺断層活動跡」の表示があります。その表示の東を断層が通っていて、北東側が5mほど高くなり崖になっているのがわかります。
下の写真は阿寺断層が通っている坂下病院の北東で南東側から撮ったもので、写真の左側に縦長で写っているのが「阿寺断層活動跡」の表示です。表示が立っている左側の地面は低く、石垣を隔てて右側の上に家が建っています。石垣のあたりが断層崖です。
下の写真に写っている道路は、坂下病院の東にある道路で北西-南東に延びていますが、断層崖沿いの道路です。石垣やその上のコンクリートの壁が断層崖です。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
こちらでは丹那断層を紹介してます。