前回紹介した鬼岩公園内を流れる平岩川の上流に、人造湖である松野湖があります。
そして、その松野瑚周辺にも花崗岩が分布します。

松野湖周辺ではかなり風化して、ばらばらになって粒のようになった姿を多く見ることができます。
国道21号から松野湖方面へ県道366号飛騨木曽川公園線(御嵩町~瑞浪市)で進み、県道366号の入口から約3.5km(松野湖をもうすぐで越えるというところ)の右側に露頭があります。
その露頭では、風化した花崗岩を見ることができます。

花崗岩は堅固な岩石ですが、このように風化してばらばらになって砂や小さな礫などの粒状になりやすいという特徴を持ちます。なぜでしょうか。

花崗岩
実は、花崗岩という岩石は、同じような大きさの鉱物が互いに密着してできています。気温変化などによって、それぞれの鉱物がわずかに膨張・収縮を繰り返します。
しかし、鉱物によってその度合いが異なり、また同じ鉱物でも方向によって異なるため、鉱物単位でひずみが生じて結合がはがれ、ばらばらになりやすいのです。
ばらばらになると最終的に砂粒を生成することになります。このばらばらになった粒をマサ(真砂)と呼びます。
また、花崗岩を構成している主な鉱物の一つである長石は粘土鉱物になりやすいということもあり、鉱物自体くずれてしまうこともあります。
下の写真は上の写真の右側の花崗岩の風化している部分を撮ったもので、花崗岩が刃物で切られたかのようにはがれているのがわかります。花崗岩は方状節理が発達しているため、このように節理面で割れたと思われます。

下の写真は、上の写真の10mほど南の露頭を北から撮ったもので、同様に花崗岩が風化しています。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸や黒丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
