長良川本流沿い露頭編その80と長良川本流沿い露頭編その83では、珪質粘土岩を紹介しましたが、美並町高原でも珪質粘土岩が露出しています。
この3地点は割合近くに位置し、いずれも一連のチャート層とメランジュからなる地層の境界近くに分布しています。今回紹介する美並町高原右岸の珪質粘土岩の露頭は、南北17mほど、東西10mほどで、長良川沿いに独立して露出しているため、国道156号からも見ることができます。
地質図を見ると、この露頭(大きい×地点)はオレンジ色(Mch)の中にあり、オレンジ色はおもにチャートからなる地層です。北には灰色(Mmx)のメランジュからなる地層が広がっています。小さい×地点が2ヶ所ありますが、「その80、83」で紹介した珪質粘土岩の露出地点です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
珪質粘土岩は、粘土鉱物からなる岩石で、チャート層に伴って存在し、中に黒色の珪質泥岩をはさむことを特徴としています。
ここの露頭において、足元より上の部分は黒色の珪質泥岩が主に露出しています。この黒色珪質泥岩は層状になっていて、灰色~淡青灰色の珪質粘土岩がレンズ状入っています。
下は同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
一方、足元の部分は珪質粘土岩が優勢で、黒色の珪質泥岩が帯状に入っています。
下の写真は露頭の下部を南から撮ったもので、下方(右側)では、灰色の珪質粘土岩に黒色の珪質泥岩が帯状に入っている(白丸の上部)のがわかります。
下の写真は、上の写真の中央下部を近づいて東から(右側から)撮ったものです。写真の上位は珪質泥岩で、下位は主に珪質粘土岩(黒色の珪質泥岩が帯状に入る)です。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。