長良川沿いのメランジュその1で紹介した苅安のメランジュの露頭を再度紹介します。
美濃帯堆積岩類は、海洋プレート上に噴出したり堆積したりしたものが移動し、大陸の縁(現在の日本列島)にくっついた付加体堆積物です。
メランジュは、もともとは混合を意味するフランス語で、いろいろな種類の岩石が複雑に混じりあった地質体を指します。泥岩の基質中に、緑色岩(玄武岩質溶岩など)・石灰岩・チャート・珪質泥岩・砂岩などからなるさまざまな大きさの礫あるいは岩塊を数多く含み、美濃帯堆積岩類のような付加体堆積物に特徴的な地質体です。
また、ここのメランジュは、研究者によって詳しく調査されています。
露頭は、粥川の合流部から下流に向かって約100mにわたりほぼ連続的に露出しています。この連続した露頭は、30m~40mごとに北部、中部、南部に分けられます。
北部は、砂岩や砂岩泥岩互層、珪質泥岩が主な岩塊となっています。中部では岩塊はチャートが多く、南部ではチャートや珪質粘土岩が多いという特徴をもっています。また、基質となっている泥岩の特徴やメランジュの破断や混合の度合いも、北部、中部、南部で異なっています。
地質図において、ここの露頭は灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。
写真は北部の露頭を撮ったもので、黒色の泥岩の中に砂岩の礫(岩塊)が入っているのがわかります。
同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より 岐阜県博物館提供)
下の写真は中部の露頭で、チャートの礫(岩塊)が写っています。
下の写真も南西から撮ったもので、中央右上に写っている礫はチャートです。
下の写真は南部の露頭を撮ったもので、ハンマーの周辺は珪質粘土岩です。
スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。
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