長良川本流沿い露頭編その57で層状チャート中の漣痕と思われる痕跡を紹介しました。
美並町勝原の勝原橋の上流(北へ)350mほどの左岸河床にも見られますので紹介します。
写真は層状チャートの層理面にある漣痕と思われる痕跡を北西からパノラマで撮ったものです。
ここで見られる層状チャートは、数cm~10cmほどの厚さの淡青灰色~暗青灰色をしたチャート層の間に、淡灰色をした1mm~1cmの厚さの泥岩層がはさまったものです。層状チャートの層理面は、北東-南西を軸として北西へ35度ほど傾斜しています。
その表面に右上から左下に、高さ1mmほど線状に出っ張りがあります。それが何本も5mm~1cmほどの幅をもって平行に延びています。層理面はチャートの堆積面なので、海底の表面の際に水流が痕跡を残したものと考えられます。
1つの層理面にいくつも線状の模様が見られるのですが、北東-南西方向(横方向)に1.2mほど、縦方向に80cmほどの広がりで見られます。
下の写真は、上の写真の中央少し右下を撮ったもので、写真の縦は16cmです。右上から左下にかけて平行な線状の模様が何本も見えます。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。
地質図において、この露頭(×地点)は灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。メランジュの中の大きなチャートの岩塊の一部を見ていると考えられます。
こちらでは、群馬県にある漣痕を紹介しています。