長良川本流沿いの露頭編その40で、層状チャート中の漣痕と思われる露頭(美濃市上河和左岸露頭)を紹介しました。
それと同様の層状チャート中に漣痕と思われる痕跡が美並町木尾の右岸河床露頭で見られますので、紹介します。
長良川本流沿いの露頭編その40で紹介した漣痕の露頭は、チャートの同じ層理面(チャートの堆積面)が割合広く露出している状態でしたが、ここの露頭では層理面は水平に近いのですが、階段状になっていて、異なる層理面が何枚か見られる状態です。
そのため、1枚の層理面における漣痕が見られるわけではなく、少しずつですが複数の層理面の漣痕が見られます。
層状チャートは、淡青灰色~灰色をした数cm~10cm厚のチャート層に、灰色をした5mm~1cm厚の泥岩層がはさまれています。ただし、表面は酸化のため淡褐色になっている部分が多いです。
漣痕と思われる痕跡は、層理面に幅2cm~4cmで、高さが5mmほどの平行な波状の凸凹模様として見られます。漣痕と思われる筋は北西-南東~西北西-東南東を向いています。
スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。
地質図において、オレンジ色(Mch)はおもにチャートからなる地層です。×地点が、層状チャート中に漣痕が見られる露頭です。「道の駅美並」の駐車場から階段を下りて、河原(右岸)を下流に向かって250mほど進んだところにあります。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)
こちらの記事では、白亜紀の波の痕が残る漣岩(さざなみいわ)を紹介しています。
前回の記事はこちら。甌穴を紹介しています。