「すべらない砂甲子園」とは
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究に欠かせない「砂」の世界をより身近に、そしてよりディープに知ることができる一大イベントです。
各都道府県の砂が戦い、「一番すべらない砂」=「最強の砂」を決定する室内実験的格闘競技大会となっています。
https://www.jamstec.go.jp/50th/suberanai/
地震は断層がすべることによって発生します。
大会委員長(谷川亘 博士)からのあいさつ
私たちが住むこの地震大国日本において、断層すべりメカニズムの理解を通じて、将来に向けた防災設計は急務です。しかし、その「すべる特性」=「摩擦」は断層を構成する「砂」の特徴により大きく異なるため、奥が深い世界です。その奥深い摩擦と地震の世界を少しでも身近に感じてもらおうとJAMSTEC50周年記念企画としたのが、この「すべらない砂甲子園」です。砂と砂を競わせて、砂のすべりにくさの頂点を追究するこの戦いは、誰も経験したことのない世界であり、いったい何が起こるのか私ですら想像ができません。その未知なる瞬間をお茶の間のみなさんと共有できることを楽しみにしています。
JAMSTECの50周年特別企画として開催されました。
※この大会は2021年夏に開催されたものです。更新が遅くて申し訳ないです…ただYouTubeで配信されているので、今からでも大会の様子を楽しむことができます。
出場した砂
今回、「新第三紀層岩村層群の遠山層内の火山灰」をエントリーしました。火山灰が堆積したものなので磨耗はあまり受けておらず、すべりにくいのでは、と思ったのです。
こちらの記事で紹介した場所から採取しました。
これがなんと岐阜県代表に選ばれました。
https://www.jamstec.go.jp/50th/suberanai/player/pref_gifu.html
全国津々浦々、チョークなど身近なものや、観光地としても有名な九十九里浜や鳴き砂をはじめ、50の砂が出場。
すべりにくさを競います。
全出場「砂」はこちらから見れます。
https://www.jamstec.go.jp/50th/suberanai/player.html
結果は…
残念ながら3回戦敗退となりました。
第2回戦からの参戦で、第2回戦は福岡の「糸島の砂」、第3回戦は北海道の「方鉛鉱」との対戦でした。
対戦ありがとうございました!
対戦の様子はYouTubeで見ることができます。
2回戦(vs福岡)
対戦の様子は12:08〜
3回戦(vs北海道)
対戦の様子は16:45〜
優勝したのは…
優勝したのは、福井県の「若狭かき殻石灰砂」。福井県立大学 遊狩漁部 牡蠣殻班からの応募でした。
おめでとうございます!
準優勝の高知県「室戸岬先端の斑糲岩(はんれいがん)の砂」は室戸高校×室戸ユネスコ世界ジオパークからの応募です。我々岐阜県代表が敗れた北海道代表も、長崎西高等学校地学部からの応募でした。(応募者の居住地や出身地・故郷の砂に限らず応募できます。)
若手の活躍が目覚ましかったです。
最後に
今回の「すべらない砂甲子園」は、砂という存在にスポットを当てた、異色の大会でした。
試合結果は単にイベントだけというわけではなく、研究にも生かされるようです(Q&Aより)。日本が避けては通れない地震の研究に、少しでも役立つことを願っています。
また、本大会はジオパークなど本職の方々からの応募もあり、地学に詳しいプロ・アマが一堂に会す大会でもありました。そんな中岐阜県代表として出場することができて、とても嬉しいです。
また面白い企画があれば参加したいと思います。
50周年記念コラムは地学に興味がある方にはとても面白いと思いますので、最後につけておきます。