名鉄バスセンターは名鉄百貨店（メンズ館）の３階、４階にありますが、東側からはエスカレーターに乗ればすぐに着きます。エスカレーターに乗らずに、隣の階段で上がると、ベレムナイトの断面を複数見ることができます。
ただし、ベレムナイトの化石といっても、化石として残っているのはやじり型の殻です。石材は、イタリア産のロッソ・コレマンディーナのようです。
写真は、下から８段目あたりの手すりの位置を写しています。半分ほど切れていますが、ベレムナイトの斜めの断面です。
ベレムナイトは、白亜紀末に絶滅した軟体動物の頭足類で、現生のタコやイカの仲間です。形的にも現生のイカに似ています。ベレムナイトは、体の背部から先端にかけてやじり型の殻をもっていて、このやじり型の殻が化石として残りやすいのです。中生代のジュラ紀～白亜紀にかけて繁栄しており、中生代の海に堆積した地層からアンモナイトとともに大量に産出します。
絶滅の時期も、アンモナイトと同様に白亜紀末です。日本では北上山地のジュラ紀～白亜紀の地層から産出するようですが、欧米に比べると産出が極めてまれなようです。ヨーロッパでは、やじり型の殻だけでなく、軟体部の輪郭まできれいに保存されたベレムナイトの化石が見つかっていて、やじり型の殻に比べてはるかに大きな流線型の体と大きな眼をもっていたことがわかっています。
下の写真たちは手すりの壁にあるベレムナイトの斜めの断面または横断面を撮ったものです。それぞれ何段目か記載しています。
小さいので見つけにくいですが、ベレムナイトのやじり型の殻は白いのでわかりやすいのではないでしょうか。
●下から15段目あたり
●下から27段目あたり
●下から36段目あたり
スケールが入った写真がありますが、スケールは指を一緒に撮った写真から長さを読み取ってつけたものですから、正確さはやや欠けます。
