美並町門福手の混在岩【長良川本流沿い露頭編93】

長良川沿いのメランジュその6で紹介した郡上市美並町門福手(深戸の対岸)の混在岩を再度紹介します。

国道156号を北進し、美並町の三日市トンネルを通り抜けると、交差点があり、左に新美並橋があります。その新美並橋を渡り、右折し上流へ向かうと、200m弱進んだ道路脇にスペースがあります。徒歩で河原へ下り、川沿いを上流に向けてしばらく歩くと、高圧線の下近辺に今回紹介する混在岩が露出しています。

郡上市山田門福手右岸河床露頭(高圧線のほぼ下)

写真は、露頭全体を南西からパノラマで撮ったものです。

地質図によると、この露頭は灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからできた地層です。(地質図はHP「ジオランドぎふ」より。岐阜県博物館提供)

メランジュは、海洋で堆積したものがプレートにのって移動し、大陸の縁(現在の日本列島)にくっついた付加体堆積物に特徴的な地質体です。基質となる泥岩に大小さまざまな岩塊が入っている状態で露出しているため、岩石としては混在岩と呼ばれます。

ここの露頭の混在岩は、黒色の泥岩の中に、おもに数cm~20cm径の砂岩とチャートの礫(岩塊)が含まれています。特に、礫の中で大きなものは30cm~40cmの径をした砂岩やチャートもあります。

下の写真は上の写真に写っているハンマーの右あたりを近づいて撮ったものです。ハンマーの右にある灰色の礫は砂岩です。

下の写真は他の場所を南東から撮ったもので、ハンマーの右上にある角ばった灰色の礫はチャートです。

なお、上と中上の写真は「長良川沿いのメランジュその6」でも使用しています。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。

前回の記事はこちら。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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