美濃帯堆積岩類は、海洋で噴出したり堆積したりしたものが海洋プレートによって移動し、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものです。
玄武岩質溶岩はプレートの生成場(海嶺部)や火山島で形成したもの、石灰岩は島の上にサンゴ礁などとして形成したものがもとになっています。
また、チャートは陸地から砂などが届かないような深海底で堆積したもの、珪質泥岩は陸地に近づいたところで堆積したもの、砂岩や泥岩は陸地近くの海溝付近で堆積したものです。基本的にはこの順序で堆積しますので、この堆積の順序を海洋プレート層序と呼びます。この順序ある堆積物が陸地に付加する際に、混ざり合ってしまうのです。
この中で珪質泥岩は、海溝の沖合でかつ海溝に近い部分で、チャート形成のもととなっている放散虫などと泥の粒がまざって堆積したものです。そのため、チャートと泥岩の中間的な性質のものです。
下の写真は、上の写真の場所から西へ5mほどの露頭を東から撮ったものです。横方向に筋が見えますが、層の中の粒子の堆積面を表していてと呼びます。
下の写真は、ハンマー周辺を近づいて撮ったものです。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。
珪質泥岩の露頭のある×地点は、地質図上ではそら色(Msi)の小規模な岩体として描かれています。そら色はおもに珪質泥岩からなる地層です。灰色(Mmx)のメランジュの中の巨大な岩塊と考えられます。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)