美並町母野左岸の層状チャート【長良川本流沿い露頭編52】

県道324号白山美濃線の美濃市と郡上市美並町の境界付近を西へ進むと、道路から層状チャートの露頭が見えます。県道324号にある境界表示板の西へ100m弱の場所です。

地質図を見るとわかりますが、この層状チャートはメランジュの中に巨大な岩塊として分布しているものです。

灰色(Mmx)中に小さなオレンジ色(Mch)がある地点(×地点)がこの露頭のある場所です。オレンジ色はおもにチャートからなる地層で、灰色がメランジュからなる地層です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

ここの層状チャートは、淡青灰色をした数cm~5cmの厚さのチャート層に、淡灰色をした数mm~2cmの厚さの泥岩層をはさんでいます。間にはさんでいる泥岩層が厚い部分もあります。

川の方へ下りて、南東から露頭を見ると層状チャートが褶曲しているのがわかります。スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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