美濃市と郡上市美並町の境界付近には、メランジュからなる地層の中に巨大な岩塊として玄武岩質溶岩が含まれています。
長良川本流沿い露頭編47、長良川本流沿い露頭編48とは別の岩塊として、国道156号沿いの中華料理店裏の対岸（左岸）付近に玄武岩質溶岩が露出しています。
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美濃市と郡上市の境界付近の枕状溶岩【長良川本流沿い露頭編48】
粘性が小さいマグマが海水などで急冷すると、表面だけが冷えて固まって殻をつくります。しかし、内部は熱いままなので、外側にできた殻を破って、絞り出されるように流れます。すると、また海水で急冷して殻をつくります。これを繰り返して、西洋枕状、または米俵状の形をした溶岩がいくつもできます。これが枕状溶岩です。
この露頭では、混在岩と玄武岩質溶岩が接していて、枕状溶岩と思われる玄武岩質溶岩が見られます。
写真は混在岩と玄武岩質溶岩が見られる露頭を南から撮ったもので、右側には混在岩が、左側には玄武岩質溶岩が分布します。
また露頭の上部には、玄武岩質マグマが水によって急冷し破砕して固まった岩石（ハイアロクラスタイト）も見られます。混在岩は、基質である黒色泥岩の中におもに1cm～10cm径の砂岩の礫が点在しています。礫で大きいものは、径が30cmを超すものもあります。
ハンマーの柄の下は黒っぽく見えますが、混在岩です。楕円形およびくずれた楕円に見えるのが枕状溶岩です。
地質図において、この露頭地点（×地点）は緑色（Mbs）と灰色（Mmx）のほぼ境界部です。緑色は緑色岩（玄武岩質火山岩類）からなる地層で、灰色は（Mmx）はメランジュからなる地層です。（地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供）
下の写真は露頭の上部を近づいて撮ったもので、角ばった玄武岩質溶岩がいくつも入っていますが、水冷によって破砕されてできた岩石（ハイアロクラスタイト）です。
スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。
