美濃市横持のチャート石灰岩互層の露頭を紹介します。
国道156号線を美濃市の市街地から北上し、新立花橋の手前にある新部の交差点から右折して県道324号白山美濃線を進むと、長良川が大きく東へ蛇行しています。
その蛇行部の北東部に杏谷と呼ばれる支谷が長良川に流れ込んでいますが、その合流部から南へ50m川原沿いに進んだところにこの露頭があります。
この露頭では、暗青灰色~青灰色をしたチャート層と、白色~淡灰色をした石灰岩層が交互に堆積しているのが見られます。
チャート層と石灰岩層は横方向に幅が厚くなったり、薄くなったりしています。

通常、石灰岩は浅い海で形成し、一方チャートは深い海で形成するといったように、石灰岩とチャートは形成場所が異なります。
また、石灰岩はチャートが形成するような深い海だと溶けてしまい、形成されません。
このように、チャートと石灰岩は、形成場所や条件が全く違うため、チャートと石灰岩が交互に積み重なるように見える産状(チャート石灰岩互層)の形成過程は正確にはわかっていません。
地質図では、チャート石灰岩互層が見られる×地点の周辺は西北西-東南東にオレンジ色(Mch)が分布しています。オレンジ色は、おもにチャートからなる地層です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

下の写真は露頭を北東から撮ったものです。
白く見えるのが石灰岩で、他はチャートです。

下の写真は、上の写真の中央左を近づいて撮ったものです。チャート層は、石灰岩層と比べると手前に出ています。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見ることができます。

スケールとして置いてあるハンマーの長さは約28cmです。
こちらの記事では、石灰岩が作り出すカルスト地形を紹介しています。
