八幡町西乙原右岸の層状チャートの褶曲【長良川本流沿い露頭編120】

郡上市八幡町西乙原の長良川に架かる鉄橋の西(下流側)70mほどの右岸には、層状チャートが露出しています。

郡上市八幡町西乙原右岸露頭(長良川鉄道鉄橋の橋脚下流(西)70mほどの右岸露頭)

チャートは、砂や泥の供給がないような陸地(大陸)から離れた深海底で、放散虫などの微小な生物の遺骸が堆積したものがもとになっています。それが、海洋プレートによって運ばれ、大陸の縁(現在の日本列島)に付加したものを現在見ているのです。

本来チャートは深海底で水平方向に堆積していますが、陸地に付加したため、現在はかなり変形した状態で露出していることが多いです。

ここの層状チャートを見ると、地層に外から力が加わり褶曲している(曲がっている)のがよくわかります。層状チャートは、淡緑青灰色~暗青灰色をした数cm~7cm厚のチャート層の間に、灰色をした数mm~5mm厚の泥岩層をはさんでいます。

下の写真は、上の写真のハンマー付近を近づいて撮ったものです。

地質図において、褶曲した層状チャートの露頭(×地点)は、灰色(Mmx)の中にあり、灰色はメランジュからなる地層です。この層状チャートは、メランジュ中の巨大な岩塊だと考えられます。ちなみに、この露頭の東(上流側)には混在岩が分布しています(次回に紹介)。

下の写真は上の写真に写っているハンマーの左下少しはなれたところを南西から撮りました。スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さはそれぞれ約28cm、約20cmです。

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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