ドロストーンの互層【長良川本流沿い露頭編10】

美濃市保木脇・立花の立花橋周辺は、美濃帯堆積岩類のいろいろな岩石が露出しています。

立花橋の200mほど上流の左岸河床露頭には、チャート中にドロストーンが入った露頭やチャートとドロストーンが互層になった露頭が見られます。

ドロストーンは、ドロマイト(CaMg(CO3)2)からなる岩石です。ドロマイトは、石灰岩を構成しているCaCO中のカルシウム分が、海水中でマグネシウムに置き換わったものと考えられています。

長良川本流沿い露頭編その8でも紹介したように、チャート石灰岩は、形成条件が全く違う(石灰岩は浅い海で形成し、チャートは深い海で形成)ため、チャートと石灰岩が積み重なるように見える産状やチャートの中に石灰岩が入っているように見える産状の形成過程は正確にはわかっていません。

下の写真は、上の写真のハンマーの左上の部分を中心に東からパノラマで撮ったもので、右側に写っているハンマーの周辺でチャートとドロストーンが交互に積み重なっていること(チャート-ドロストーンの互層)が確認できます。

下の写真は中下の写真の右側を北東から撮りました。スケールとして置いてあるハンマーとシャープペンシルの長さはそれぞれ約28cm、約14cmです。同じような写真が二枚並んでいますが、それぞれの写真の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。

地質図の×地点が立花橋上流200mほどの左岸です。

地質図においては、オレンジ色(Mch)となっていて、おもにチャートからなる地層として表記されています。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)

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この記事を書いた人

元小中学校の教員(岐阜県美濃地方)。
定年退職し、今までなかなかできなかった川沿いの地質などを見て回っています。
特に、長良川沿い(支流を含めて)、長良川鉄道沿いの地質を広めていきたいと思っています。
「みのひだの地質99選(岐阜新聞社発行)」とHP「ジオランドぎふ」を参考に、岐阜県美濃地方を歩いています。

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