地質図によると、×地点(立花橋数10cm下流左岸露頭)には珪質粘土岩および優黒色泥岩からなる地層(Mto)が分布しています。
地質図において、青紫色(Mto)は珪質粘土岩および優黒色泥岩からなる地層で、オレンジ色(Mch)はおもにチャートからなる地層、灰色(Msx)はメランジュからなる地層、黄色(Mss)はおもに砂岩からなる地層です。(地質図はジオランドぎふより。岐阜県博物館提供)
この地層は、中生代三畳紀の層状チャートの基底部にあり、炭素の含有量が極めて高く、三畳紀初期における嫌気的な環境(酸素が欠乏している状態)を表す岩石です。
美濃市保木脇にある立花橋の30m弱下流の左岸河床露頭には、チャートの角礫岩と黒色の泥岩層が分布しています。また、周辺の黒色の泥岩層の中には、数cm径ほどの黄鉄鉱とみられるものが10数ヶ所で確認できました。
スケールとして置いてあるハンマー、黄色の定規の長さは、それぞれ約28cm、約20cmです。
確認した最大径の黄鉄鉱とみられるものは、8cm×5cmの平面形が長方形に近い形をしたもの(下の写真)です。チャートの角礫岩は、青灰色~黒色の数cm~10cm径のチャート角礫が多数含まれています。
下の写真は同じような写真が二枚並んでいますが、写真の下部の白丸を、左の写真は左目で、右の写真は右目で見て、重ね合わせるようにすると立体的に見えます。
写真に写っている黄色の定規は17.5cmです。
※メランジュ……いろいろな種類の岩石が複雑に混じりあった地質体を指します。美濃帯堆積岩類においては、泥岩の基質中に石灰岩・緑色岩・チャート・珪質泥岩・砂岩などさまざまな大きさの礫あるいは岩塊を数多く含む地質体です。